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越前市で土地を売りたい|売却の流れ・査定・農地転用の注意点

文・設計部 監修・川端 武志
越前市で土地を売りたい|売却の流れ・査定・農地転用の注意点

この記事のポイント

  • 令和7年福井県地価調査による越前市の住宅地の平均価格は24,200円/㎡、全用途では26,000円/㎡(価格時点:令和7年7月1日)
  • 相場は民間集計サイトごとに数値が異なるため、公表データと複数社の査定を照らし合わせて判断することが重要
  • 農地の売却は農地法3条・4条・5条で手続きが分かれ、農振農用地なら除外申出(年3回受付・通常1年程度)が先に必要
  • 譲渡所得の税率区分(短期・長期)は、土地の所有期間(売却した年の1月1日時点において所有期間が5年を超えているか否か)によって判定される
  • 境界確定・必要書類の準備は売り出し前から着手し、地元事情に詳しい会社へ早めに相談するのが近道

相続した田んぼや、住まなくなった実家の敷地。「うちの土地、いくらになるんだろう」と考える方は少なくありません。越前市の土地はエリアや地目によって価格差が大きく、平均坪単価だけでは判断しづらいのが実情です。同じ市内でも田畑と宅地とでは評価方法が異なり、机上の計算だけでは実態を把握しきれません。

この記事では、越前市の土地を第三者へ売却する場合の市場価格を軸に、相場の調べ方、査定から引き渡しまでの流れを説明します。農地の場合は農地転用の手続きが避けて通れません。境界確定や税金の注意点もあわせて取り上げました。読み終わる頃には、何から手をつけるべきか道筋が見えてきます。

この記事を読めば、越前市での土地売却に必要な手順と、農地転用などの注意点がすべて理解できます。

越前市の土地売却とは、越前市内にある土地を不動産会社などを通じて買い手に売ることです。査定や価格設定、契約、名義変更などの手続きを進めます。


越前市の土地はいくらで売れる?最新の相場感を知る

越前市の土地相場は、平均値ひとつでは判断できません。地目・地区・取引時期によって坪単価は大きく開くため、複数の情報源を照らし合わせて見るのが安全です。

地目・エリア別に見る土地価格の目安

国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データによると、2024年第3四半期から2026年第1四半期までの越前市の宅地取引(宅地[土地]等)に関する取引件数や価格帯(坪単価中央値およそ10万円)が確認できます。坪単価の中央値はおよそ10万円という結果でした。25〜75パーセンタイルはおよそ7万円から12万円程度です。府中や村国、家久町など町丁目ごとにたどると坪単価は10万円台前半から2万円台まで幅があり、同じ市内でも立地で評価は大きく変わります。

一戸建て用地・農地・山林で価格が変わる理由

宅地・農地・山林では需要の性質が異なります。宅地は住宅用地として値が付き、農地は営農目的の買い手に限られ、山林は林業や資産保全目的の取得が中心です。福井市の案内でも、山林は宅地建物取引業法上の宅地に当たらず、売買のしやすさが宅地とは異なる旨が触れられています。地目が違えば相場の考え方も別物だと捉えておきましょう。

公示地価・基準地価から見る越前市の土地相場推移

令和7年(2025年)の福井県地価調査では、越前市の全用途平均は19地点で1平方メートルあたり26,000円、前年からの平均変動率はマイナス0.2%でした。住宅地は12地点で24,200円・横ばいという結果です。商業地は6地点で31,800円・マイナス1.3%でした。全国では全用途平均・住宅地・商業地とも4年連続で上昇していますが、これは全国平均の話。越前市の基準地は、緩やかな下落から横ばいという異なる動きを見せています。

土地売却の流れを6ステップで解説

  1. 査定依頼:複数社へ依頼し比較する
  2. 媒介契約:不動産会社と販売活動の契約を結ぶ
  3. 売却活動:広告掲載や内覧対応を行う
  4. 売買契約:買主と条件を合意し契約を締結する
  5. 引き渡し準備:境界確定や測量図の確認
  6. 引き渡し・決済:所有権移転登記と代金受領

ステップ1:査定依頼から不動産会社選びまで

最初の一歩は、複数の不動産会社に査定を依頼することです。越前市には「越前市建物(空家・空地)活用パートナー事業所」という、市と協働する地元の不動産会社の登録制度があります。売却・測量・境界確定などの取扱業務は、事業所ごとに一覧で確認できます。査定額の高さだけで会社を選ぶのではなく、担当者が地域の取引事情に詳しいかどうかも含めて比較検討することをおすすめします。

ステップ2:媒介契約の締結と売却活動

査定額と担当者の対応に納得できたら、媒介契約を結びます。媒介契約には専属専任・専任・一般の3種類があり、依頼できる会社数や販売活動の報告頻度が異なります。契約後は不動産会社が広告掲載や問い合わせ対応を担当します。売主は価格の見直しや内覧対応を、そのつど相談しながら進める形になります。

ステップ3:売買契約〜引き渡しまでの手続き

買主が見つかったら、まず売買契約を結びます。そこから手付金の受け取り、残代金の決済を経て、所有権移転登記と引き渡しへと進む流れです。土地の場合、境界の確認や測量図の有無が契約条件を左右することが多く、境界が曖昧なままだと引き渡し後にトラブルへ発展しやすくなります。境界確定を怠らず、契約前に測量図の有無を確認しておいてください。境界確定の詳しい話は、後の章で改めて取り上げます。

売却完了までにかかる期間の目安

査定から引き渡しまでの期間は、買い手が見つかるタイミング次第で変わります。相場に近い価格で売り出せた土地は動きが早く決まりやすい一方、地目や用途に制約がある土地は時間がかかる場合があります。一社だけの提示価格を鵜呑みにせず、次の章で紹介する査定のポイントも踏まえて複数社の意見を比較しながら進めてください。

土地の査定額を左右する主なポイント

同じ越前市内の土地でも、接道状況や形状が違うだけで査定額は大きく変わります。

立地・接道状況・形状による評価の違い

査定額を左右する要素として大きいのが、道路への接し方と土地の形です。前面道路の幅員が狭い、間口が短い、旗竿地のように奥まっているといった土地は、建築計画の自由度が下がるため評価が下がりやすくなります。反対に南道路の角地に位置する整形地は、同じ地区・同じ面積の土地と比べても評価が高く出やすい傾向です。最寄り駅からの距離も判断材料のひとつですが、生活動線や車の使いやすさが重視される地域では、駅からの近さが価格に与える影響は宅地ほど大きくありません。

複数社に査定を依頼するメリット

査定額は会社によって差が出ることが珍しくありません。1社の提示額だけを基準にすると、相場より高く見積もられていた場合は売れ残りの原因になります。低く見積もられていれば、損をする可能性もあります。複数社に依頼して査定額の分布を見れば、越前市内でのおおよその相場観がつかめます。査定額の数字だけを比べるのではなく、担当者の説明が分かりやすいか、対応が丁寧かどうかを併せて確認してください。数字と人柄、両方の物差しで会社を選ぶ姿勢が、後々の満足度を左右します。

査定額と実際の売却価格が異なるケース

査定額はあくまで会社側の見立てであり、実際の成約価格とは一致しないことがよくあります。査定額を絶対的な数字だと思い込んでしまう方は少なくありません。買主との価格交渉、境界確定の結果による面積の修正、隣地との越境の有無などが判明した段階で、当初の査定額から上下することは十分にあります。査定は売却価格の確約ではありません。この点を理解しておくことで、契約時のギャップを軽減できる可能性があります。

農地を売却する場合に注意したい農地転用の手続き

農地を売る場合は、農地のまま売るか、転用してから売るかで必要な許可も進め方も変わります。

農地のまま売る場合と転用してから売る場合の違い

農地を農業者へそのまま売却する場合は、農地法第3条の許可申請が必要です。越前市農政課では、登記簿謄本や公図、位置図、通作ルート図、農地等利用計画書などの提出書類が指定されています。住宅用地や駐車場、資材置場など農業以外の用途で売る場合は、農地転用の許可を受けなければなりません。この場合は第4条・第5条の手続きに進みます。

農地転用許可(4条・5条)の申請の流れ

  • 申請先と種類:自己転用なら第4条、第三者への売却なら第5条の許可が必要です。
  • 工事後の報告義務:許可を取って終わりではなく、工事の進捗や完了報告が必要です。
  • 報告の期限:資材置場などの恒久転用では、工事完了後から3年間、6か月ごとに事業実施状況報告書の提出義務があります。
  • 市街化調整区域の制限:農地転用許可だけでなく、都市計画法上の開発許可が別途求められる場合があるため注意してください。

市街化調整区域の土地に見られる制限

農地が農業振興地域内の「農振農用地」に指定されている場合、転用は原則として認められません。転用にはまず農用地区域からの除外の申出が必要で、越前市の受付は年3回(3月・7月・11月)、完了までは通常1年程度かかります。市街化調整区域では、農地転用の許可とは別に都市計画法上の開発許可が求められる場合もあり、農地転用の許可だけで建築や造成ができるとは限りません。売却を急ぐ方ほど、早めに越前市農政課へ相談しておくと安心です。

土地売却で押さえておきたい注意点とリスク


注意点・リスク

内容・対策

境界確定

境界標がない場合は測量が必要。引き渡し後のトラブルを防ぐため必ず確認。

税金の支払い

所有期間(5年超か否か)により税率が異なる。

売れ残りリスク

相場とかけ離れた価格設定はNG。複数社査定で適正価格を知る。

境界確定・測量にかかる費用と期間

境界標がない場合や隣地所有者との立ち会いが済んでいない場合は、測量による境界確定が必要になり、期間と費用がかかります。境界が曖昧なままだと契約書上の面積の扱いが不明確になり、引き渡し後に隣地とのトラブルへ発展するおそれもあります。売却を決めた段階で、早めに専門家へ相談しておくと安心です。

売れ残りやすい土地の特徴

以下のような土地は、宅地と比べて売却までの時間がかかりやすい傾向にあります。

土地の特徴

売却が長引きやすい理由

接道条件が悪い土地

建築や利用の自由度が制限されやすいため

極端に細長い形状の土地

建物の設計や活用方法が限られやすいため

地目が農地・山林の土地

買い手の対象者が限られやすいため

市街化調整区域内の土地

建築に制限がかかることが多いため

価格を相場からかけ離れた水準に設定すると、こうした土地はさらに動きにくくなります。

土地売却でかかる税金と諸費用

土地を売って利益(譲渡所得)が出た場合、税金がかかることがあります。国税庁のタックスアンサーによると、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得として税率15%(住民税5%)、5年以下の場合は短期譲渡所得として税率30%(住民税9%)です。いずれも令和19年までは、基準所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税が別途かかります。この所有期間は建物の築年数ではなく、土地を取得してから売却するまでの保有期間で判定される点に注意してください。相続で取得した土地は、取得時期の扱いが個別事情によって変わることもあります。具体的な税額は、税務署や税理士へ確認しておくと安心です。

越前市で土地売却をスムーズに進めるためのポイント

越前市の土地は地目や地区で事情が大きく異なるため、地元の実情に詳しい会社選びと書類の早めの準備が近道になります。

地元の不動産事情に詳しい会社に相談するメリット

越前市には、越前市と協働する「建物(空家・空地)活用パートナー事業所」として登録された地元の不動産会社があります。売却だけでなく、測量・境界確定、相続登記の相談まで対応できる事業所も含まれているのが心強いところです。農地や山林など複雑な地目の土地を売る場合は、地域の農業委員会や森林組合とのやり取りに慣れた会社に相談できると、手続きの見通しが立てやすくなります。

売却前に準備しておきたい書類

売却の相談をスムーズに進めるには、登記簿謄本、公図、境界に関する資料、固定資産税の納税通知書などを事前にそろえておくと安心です。農地を売る場合は、農地法の許可申請に使う登記簿謄本や位置図なども早めに用意しておきましょう。そうすることで、農政課とのやり取りが滞りにくくなります。書類が手元にそろっているだけで、査定から契約までの流れが目に見えて早く進むこともあるのです。

まとめ

相続した農地の扱いに悩んでいる方、転居や資産整理で越前市の土地を手放したい方は、ぜひ本記事の内容をご活用ください。押さえどころは3つです。相場は公表データと複数社の査定を突き合わせて掴むこと、農地は農用地区域からの除外や転用許可に時間がかかるため早めに農政課へ確認すること、境界や必要書類の準備は売り出し前から動き出すことです。順番さえ間違えなければ、売却は思ったより落ち着いて進められます。まずは地元の不動産会社へ相談し、査定を通じて適正な価格とスケジュールを把握することから始めましょう。

※ 掲載内容は執筆時点の情報です。最新情報は各自治体・関係機関の公式ホームページをご確認ください。


出典

  1. 山林の売買等に関する制度 - 福井市 — https://www.city.fukui.lg.jp/sigoto/nourin/ringyou/p025892.html
  2. 越前市建物(空家・空地)活用パートナー事業所 — https://www.city.echizen.lg.jp/office/070/040/tatemonopartnerjigyosyo.html
  3. 福井県越前市の不動産売却に強い会社に一括査定 — https://ouchi-ktrb.jp/prefectures/18/cities/856
  4. 売土地情報を越前市から検索 - 福井県 - 森川不動産 — https://www.morikawafudousan.com/uri-tochi/fukui/result/echizen-city.html
  5. 不動産情報ライブラリ 不動産取引価格情報(国土交通省)|福井県越前市 — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/#xit001
  6. 農地の売買・転用などの手続きに関すること - 越前市 — https://www.city.echizen.lg.jp/office/kankyounourin/020/nouti/noutitetudukisyorui.html
  7. No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
  8. No.3211 短期譲渡所得の税額の計算|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
  9. https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kanri/30tikatop_d/fil/R703.pdf — https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kanri/30tikatop_d/fil/R703.pdf
  10. 農業振興地域整備計画 - 越前市 — https://www.city.echizen.lg.jp/office/kankyounourin/020/nousintiikiseibi.html
  11. 報道発表資料:全国の地価動向は全用途平均で4年連続上昇 ~令和7年都道府県地価調査~ - 国土交通省 — https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo04_hh_000001_00067.html
  12. 越前市(福井県)の坪単価・地価・不動産取引価格 | 不動産DB — https://fudosandb.jp/area/18209

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よくある質問

Q. 越前市の土地は、いくらくらいで売れるのが目安ですか?
A.

公的なデータで見ると、令和7年福井県地価調査での越前市の住宅地の平均価格は24,200円/㎡(平均変動率0.0%)、商業地は31,800円/㎡(同-1.3%)でした。ただしこれは基準地19地点の平均であり、個別の土地の売却価格とは別物です。実際の取引に近い水準を知りたい場合は、国土交通省の不動産情報ライブラリで近隣の取引価格情報を確認し、そのうえで複数社の査定を取るのが現実的です。


Q. 越前市の土地の売却相場は、地区によってどれくらい違いますか?
A.

同じ市内でも町丁目によって差があります。民間データベースが2016〜2025年の更地取引をもとに算出した宅地坪単価の中央値では、府中が16.1万円、村国が12.7万円、家久町が10.3万円、松森町が2.0万円といった開きが見られます(取引件数5件以上の町丁目のみ、2026年7月31日更新)。中央値は取引の構成で動くため、目安として捉え、最終判断は個別査定で行ってください。


Q. 農地を売りたいのですが、農地のまま売るのと転用して売るのとでは何が違いますか?
A.

農地のまま買主に渡す場合は農地法第3条の許可、転用目的で第三者に売る場合は第5条の許可、自分で転用する場合は第4条の許可が必要です。さらに農振農用地に指定されていると転用は原則できず、農用地区域からの除外を先に済ませる必要があります。越前市の除外申出は年3回(3月・7月・11月)受付で、完了まで通常1年程度かかるため、売却を考え始めた段階で農政課(0778-22-3009)へ地番を伝えて確認するのが安全です。


Q. 土地を売ったときの税金は、どのように決まりますか?
A.

譲渡所得(譲渡価額から取得費と譲渡費用、特別控除を差し引いた額)に対して課税され、税率は「築年数」ではなく所有期間で分かれます。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える長期譲渡所得は15%(住民税5%)、5年以下の短期譲渡所得は30%(住民税9%)です。いずれも令和19年までは基準所得税額の2.1%の復興特別所得税が加わります。相続した土地などは判定が複雑になるため、税務署や税理士への確認をおすすめします。


Q. 売却の相談は、どこの不動産会社にすればよいですか?
A.

越前市は「建物(空家・空地)活用パートナー事業所」として、市内の不動産事業者10社を公表しています(2026年6月11日時点)。10社すべてが売却に対応し、測量・境界確定や更地化などの取扱業務は事業所ごとに異なります。1社の査定額だけで決めず、対応範囲と査定の根拠説明を比べたうえで、媒介契約を結ぶ会社を選ぶと納得感が高まります。

監修者

川端 武志

川端 武志

株式会社川端工務店 代表取締役 / 一級建築士

福井県越前市を拠点に、土地探しから設計・施工・アフターまでワンストップで住まいづくりを手がける。地域の気候風土に合わせた、長く快適に暮らせる住宅設計を得意とする。

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